写真家・小野啓は、2002年から10年間にわたり、日本全国の高校生を撮影してきました。約500名を撮影し、本書には300名の写真が収められています。
高校生は、青春や思春期という言葉、制服にまつわる流行や風俗、最近ではスクール・カーストといった事象などで語られがちですが、小野が向き合おうとしたのはあくまで「ひとりひとり」の存在でした。一貫して被写体を選ばず、被写体募集に応募してきた高校生の暮らす土地へ赴き、彼らの存在とその場所をカメラに収めたのがこのシリーズです。
この高校生たちのポートレートには、「ひとりひとり」の取り替えようのない固有性とともに、はからずも彼らが生きている場所と時代が刻み込まれています。ひとつの時代の記録としても大変意義深いものです。
帯コメントは『桐島、部活やめるってよ』の小説家・朝井リョウ。 気鋭の評論家・宇野常寛による論考も収録。
第26回写真の会賞受賞。
サイズ: H223mm × W290mm
頁数:344ページ