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露口啓二 写真集『自然史』

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著者:露口啓二 出版社:赤々舎 発行日:2017年4月 判型:上製本 サイズ:230×270mm ページ数:128ページ デザイン:門馬謙次 寄稿:四方幸子 倉石信乃 ーーーーーーーーーーーーーーーーーー 石狩川水系千歳川の支流であり、かつては、アイヌ文化形成の重要な経済的基盤でもあった「漁川上流域」。 日高山西部の流域にダムが建設されたことで出現した湖によって、先住民族アイヌの生活や儀式の場などが水没した二風谷や荷負などの「沙流川地域」。 石炭産業を中心に北海道の諸地域に形成された、夕張、三笠などの「空知炭鉱地帯」。 東日本大震災の被災地である陸前高田、気仙沼、女川、石巻、南相馬にわたる「長大な太平洋沿岸」と、 福島第一原子力発電所の事故により放射性物質が飛散し堆積した「帰宅困難区域の内側」「境界線」「外側」。 そして古来より自然と庶民の格闘の場であり、忌部と呼ばれる集団にかかわるとされている文化が成立していた徳島の「吉野川流域」。 古来、近代文化の盛衰。その史にではなく、その痕跡に繁茂し史を覆う自然に、露口啓二は、静かに見る。 かつて大量に鮭が遡上し、アイヌと和人に共有されていたとも思われる漁川流域の狩猟儀礼の場シラッチセや、 石炭産業の衰退後、坑道を地中に残したまま地上に放置されたボタ山、生活の場。原子力発電所の事故により居住が認められなくなった場。 多様な事態が起こり、そして変容していくそれらの場所が「自然」に浸透されてゆく諸様態、諸様相は、私たちの目にはどう映り、写真にはどう写るのか。 作家が現在も活動する道内(近代化の資源ための開拓によってなされた地)のアイヌの森と水から始まり、 東日本大震災の記憶を経て、出生の地である徳島の吉野川流域までにいたる様々な場所で撮影された写真群の併置により、 空間の差異と同質性、あるいは等価性、そしてそこに潜む不可視性など、「自然史」と言うべき壮大なうつろいの気配の顕現を試みる一冊。 ー出版社説明文より ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【著者プロフィール】 露口啓二|Keiji Tsuyuguchi 1950年 徳島県生まれ 1989年 フレメン写真製作所設立 1990年代末より、北海道のアイヌ語地名に基づく「地名」を開始 2002年 「地名」始めての個展をLIGHT WORKS(横浜市)にて開催 同年、「地名」を「現代日本の写真 Black Out展」に出品(日本文化会館・パリ、ローマ)(国際交流基金フォーラム・東京) 2004年「ノンセクト・ラディカル- 現代の写真III-展に「地名」を出品(横浜美術館・横浜) 2009年「東川賞国際写真フェスティバル受賞作家展」(東川町ギャラリー・東川町) 2009年「ICANOF2009 Blinks of Blots and Blanks(八戸市美術館・八戸市) 2011年より、「自然史」の制作を開始 2012年《Natural History(倉石信乃との共作)》を「SNOWSCAPE MOERE-再生する風景-」展に出品(モエレ沼公園ギャラリー・札幌市) 2013年「アクアライン展」(芸術の森美術館・札幌市)に「ON_沙流川」を出品 2014年に「自然史_福島」の制作を開始 同年、札幌国際芸術祭にインスタレーション作品「Map of Water」を出品、同時に写真展「自然史_北海道/福島/徳島」を開催(チカホ/CAI01・札幌市) 2015年 「もうひとつの眺め(サイト)展」に、「自然史_北海道/福島」を出品(北海道立近代美術館・札幌市) 「地名」の撮影を再開

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