中川正子写真集『ダレオド』の、特装版が完成いたしました。
直筆サイン入りのオリジナルプリント付き、特製BOX、エディションナンバー入り、200部限定発売です。
デザインは、通常版と同じ、佐藤孝好氏に依頼しました。
本書は、通常版の初版と同じタイミングで刊行の計画でおりましたが、資金面の都合で目処が立たず、初版1000部完売を目標に、刊行を目指しておりました。
この度、初版のほぼ全てを全国の皆様にお届けすることが出来ましたので、刊行の発表に至りました。ひとえに、『ダレオド』にご興味を持って下さり、通常版をご購入頂いた皆様に、お力添え頂いた賜物でございます。
本作の要素の中で重要な「闇」をイメージした濃紺の箱に、そこに光が差してきたかのような白い文字、少し明るい藍色の生地で表紙を包みました。
箱のタイトル文字はひっそりと色をつけずに型を押すのみに留め、箱を開けたときの白い文字とのコントラストを楽しんでいただけたら幸いです。付属する直筆サイン入りのプリントは、写真集と同じサイズの大きめのもの。写真集に掲載されていない、特別なカットです。
画像にある、2種類のうち、どちらかお好きな方をお選び頂けます。ご購入時の、お客様情報入力画面にある備考欄に、「海」か「草」のいずれかをご記入ください。
プリントは、ぜひ額装して、毎日目にする場所に飾ってみてください。
※プリントのご指定がない場合は、こちらで選択させて頂きます。
※お使いのパソコンやスマートフォンのモニター環境により、実際の色合いと多少異なる場合がございますので、ご了承ください。
※本書掲載の写真は通常版と同じでございます。外箱や装丁、見返しの用紙、特典のプリントについて、通常版とは異なります。
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STATEMENT
「誰も見ていないみたいに、踊って」
どこかの牧師が書いたそんな言葉を以前、アメリカのスーパーで見かけた。その一文は心のどこかにすっと、静かに沈み、美しい景色となってずっと、わたしの中に存在しました。夢中で踊る誰かの姿とともに、いつしか、「踊る」という動詞は、わたしにとって、生き生きと生きることの、象徴になりました。
わたしは、ひかりを集めたい。戦い争い傷つけ合うこと。不安や恐怖や絶望。それらに抗うかわりに、わたしはひかりを粛々と集めたい。わたしの、あなたの、彼らの、生きる日々にこぼれる、ひかり。はかなく、強く、おだやかに、鋭く。それらを余すところなく拾い、積み上げることは、わたしにとって、強い祈りのようなものです。歌が作れないから、歌の代わりに。踊るみたいに。
拾い集めたひかりの粒はやがて、わたしの手を遠く離れ、それぞれが呼応し合って、明るさを増してゆく。ひかりに包まれたひとびとは、抱き合って許し合い、恐れは消えてゆく。そこは、助け合い、分け合い、愛し合うひとびとの世界。そこからもう、焦点を離さない。そう、決めました。
ね、誰もみてないみたいに、踊って。
中川 正子
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2017年4月3日 初版第一刷発行
著者|中川正子
発行|Pilgrim
216mm×302mm
64ページ
外箱付き
アートディレクション|佐藤孝好(オギャー)
デザイン|廣瀬豊(オギャー)
プリンティングディレクター|熊倉桂三(山田写真製版所)
印刷・製本|株式会社 山田写真製版所
寄稿|安東嵩史
和文英訳|パメラ・ミキ・アソシエイツ